雪がとけ、桜が花開く春。
卒業・入園・入学式など…お祝いごとが多くなる季節ですね。
このように冠婚葬祭に使うお菓子を「式菓子」というのだそう。
今回この式菓子を中心とした、日常をゆたかにしてくれるお菓子作りをされている「さかつめ菓子本店」さんをご紹介したいと思います。
さかつめ菓子本店さんは、ご主人で3代目となる、歴史のあるお菓子屋さんです。現在、直江津菓子組合の組長を務めています。
初代がパン屋さんを創業し、そこから時代の流れとともに、お菓子を作るようになったのだそう。
ご主人は東京製菓学校にて和菓子を学び、千葉のお店で修業後、上越に戻り、ご両親と共にお菓子作りをされてきました。
和菓子といえば、「餡にはじまり、餡に終わる」といわれるように、餡が基本となるもの。
同じ材料・同じレシピを使っても、作る人が変われば、味も違ってくるのが餡なのだそう。
長年培われた経験から得た肌感覚をもとに、餡の状態を感じながら、いい塩梅に仕上げていく…餡づくりとは、とても奥深いものなのだと、ご主人のお話をお聞きして、初めて知りました。
和菓子職人の腕がひかるあんこの和菓子・おすすめは?
先代からの味を受け継いだ、伝統ある和菓子たち。
実直に和菓子作りに取り組んでこられたご主人の生み出す和菓子の中でも、おすすめの和菓子を教えていただきました。
上越市の冬の風物詩といえば…「水羊羹」です。
上越ではお正月に水羊羹を食べる風習があります。
あたたかい部屋で、つるっとしたのど越しの水羊羹をいただくのも、夏にいただくのとはまた違った味わいがあります。
この水羊羹は、上品な甘さで、手土産としてもおすすめです。
我が家の家族はこの水羊羹が大好きで、この水羊羹をきっかけに、さかつめ菓子本店さんのあんこのおいしさのとりこになりました。
奥さんのおすすめは「きんつば」。
上品な甘さの粒あんと、あんをつつみこむ皮のおいしさのバランスが絶妙です。
また、粒あんの歯ごたえもおいしさをより引き立てます。
こちらは「六方焼き」。
中はこしあんで、しっかりとした甘さがあり、あんこの甘さを楽しみたい方にはこちらがおすすめ。
あんこのおいしさとともに、ほんのりと胡麻の風味も口に広がります。
疲れてほっと一息つきたいときに、うれしい甘さです。
そして「中華まんじゅう」。
しっとりとした生地に丹精込めて丁寧に作られたこしあんが、たっぷりとつまった中華まんじゅうです。
ほどよい甘さの生地と、あんこの甘さがちょうどよく、緑茶と相性がぴったり。
季節がら、おはぎも販売されていました。
粒あんともち米のつぶつぶとした食感もよく、1ついただくだけで十分な満足感があります。
そして今回、偶然にも販売されていた「いちご大福」に出会えました。
いちごの甘酸っぱさとあんこの甘さが重なり合って、大福といただくと、口の中に春が来たかのような、さわやかでおいしい甘味が広がります。
和菓子だけでなく洋菓子もおいしい!
和菓子職人でもあるご主人ですが、和菓子だけでなく、洋菓子も作られています。
わたしも知り合いに「このお店は和菓子も美味しいのだけれど、実は洋菓子もおいしいのよ」と教えていただき、今回初めて洋菓子をいただいてみました。
洋菓子でおすすめなのは「プラリネ」。
たっぷりのナッツがキャラメリングされ、周りはチョコレートでコーティングされた洋菓子です。
しっとりとしたほど良い口当たりのスポンジに、杏子ジャムがはさまれ、ジャムのほんのりとした酸味とチョコレートとナッツがぴったり!
ちょうどよい甘さで、いくつも食べれてしまいそうです。
写真のサイズはハーフ。倍の大きさの1本での販売もしています。
こちらはチョコレートを使用しているため、冷凍品となります。
常温解凍したあと、ケーキを裏返しにして切ると、きれいに切れるそうです。
こちらは「パンプキンパイ」。
パイ生地に包まれた、やさしい甘さのかぼちゃあん。
かぼちゃのきれいな黄色もうつくしく、和菓子職人としてあんを作り上げてきたご主人ならではのかぼちゃあんです。
お子さんたちも大好きな味なのだそう。
和菓子を通じて四季を感じてもらいたい
今回ご紹介させていただいたお菓子は、日常のお茶のひとときに、家族といただいたり、ひととひととのご縁を結んでくれるお菓子として、手土産にもおすすめです。
「食べる人の笑顔を思い浮かべ、おいしいとお客さんが喜んでくれるように、その気持ちを大切に、お菓子作りに励んでいる。
和菓子を通じて、四季を感じ、こころにゆたかさを感じてもらえたら嬉しい。」とお話ししてくださったご主人。
そして明るく笑顔のステキな奥さんが、お客さんとお菓子のご縁を結んでくれます。
奥さんとの会話を楽しみに、お菓子を買いにこられるお客さんもいらっしゃるのだそうです。
またクリスマスには、クリスマスケーキも作るとのこと。ぜひ、クリスマスの時期にケーキもいただいてみたいですね。
また和菓子・洋菓子共に式菓子として、大量注文も受け付けてくれます。
お正月には上生菓子に、冬の上越ならではの水羊羹。
3月・4月は桜餅。
5月は柏餅・5/31・6/1には上杉謙信公にちなんだ「お強の餅」。
お彼岸にはおはぎ。
11/30・12/1には上杉謙信公ゆかりの川渡餅といった四季折々・一年を通じて、ゆたかな和菓子の文化を伝え、またお菓子で心をゆたかにしてくれる「さかつめ菓子本店」さんのお菓子を、ぜひ味わってみてください。
さかつめ菓子本店
住所:新潟県上越市黒井1805
アクセス:JR信越本線「黒井駅」から徒歩約19分
TEL:025-543-2792
営業時間:月~日曜
7:00-18:00
定休日:不定休
駐車場:有