先日、久しぶりに会った友人と話していたら最近始めた趣味の話になりました。
彼は数年前から登山を始めたそうで、この夏もいくつかの山に挑戦したとのこと。
私はどちらかというとアウトドアのレジャーは「海派」で、登山にはなかなか挑戦する機会がなかったのですが、まずは気軽にハイキングから始めてみては?と勧められました。
そこで、勧められるがままに、気軽に山登りが体験できて、さらに妙高市の歴史にも触れられる斐太(ひだ)歴史の里に行ってみることにしました。
まずは神様にご挨拶、登山の無事を祈ります
斐太歴史の里は上越市と妙高市の境目にあたる斐太地区にあります。
歴史の里に向かう前に、ふもとにある斐太神社でお参りをしていくことにしました。
うっそうとした林に囲まれた階段を上ると、神聖な雰囲気の御社がありました。
斐太神社が建立されたのは平安時代で、歴史上多くの権力者に庇護された由緒ある神社です。
神社での参拝を終え、道を進むと「鮫ヶ尾城跡」への案内看板があります。
これから向かう斐太歴史の里はこの城跡の歴史も伝えています。
案内に従って道を上ると駐車場があります。
本格的な登山装備はいりませんが、山登りに適した準備をして先に進みましょう。
広い公園区域には遊具や歴史的な建造物も
駐車場からしばらく坂をのぼると広い公園区域に出ます。
まずはこの先の登山コースについての情報を集めるために管理棟に向かうことにしました。
管理棟に向かう途中に見つけた「竪穴式住居」です。
斐太地域は、今から1800年前の弥生時代の集落や住居跡、古墳時代の前方後円墳の跡が残る国内第一級の遺跡でもあります。
次に目に留まったのは鮫ヶ尾城についての案内図です。
これから目指す場所は、戦国時代の山城 鮫ヶ尾城の本丸があった跡地で、ここには鮫ヶ尾城の歴史が記載されています。
越後の名将上杉謙信公の跡目争い「御舘の乱」の最後の舞台となったのがこの鮫ヶ尾城です。
弥生・古墳時代の遺跡や、戦国時代の事変の歴史を伝えるだけでなく、公園区域には子どもたちが遊べる遊具も設置されています。
管理棟では管理人さんがこの里の自然の見所や歴史について教えてくれます。
そして、今回一番聞きたかった鮫ヶ尾城本丸跡までの登山コースの情報も。
東側の登山口から登り、頂上からは北側を下るコースを教えてくれました。
普通に登れば頂上まで25分、下りてくるには20分の距離と聞いて、正直「楽勝なのでは?」と思いましたが、これが間違いだとすぐに気づくことになりました。
いざ出発!足取り軽く山道に向かいます!
管理人さんに見送られて登山コースの入り口に向かいます。
公園内を少し戻るように歩くと案内板を見つけました。
鮫ヶ尾城跡に向けて出発です!
入り口はまず下り階段になっています。
階段を下っていくと広い池が現れます。
木々に遮られて全く見えていなかった場所だったので、急にひらけた景色に驚きました。
ゆっくりと釣りを楽しんでいる方が数人いました。
池のわき道を抜けると、いよいよ山登りが始まります。
うっそうとした樹々の中、木でできたステップが続いていきます。
5分ほど登ったところで、少し広いスペースに出ます。
あとから知ったのですが、この辺はカタクリの花の群生地で、見頃の4月には多くの人が訪れるそうです。
実はこの時すでに、息が切れて汗だくになっていました。
普段の運動不足のせいか、慣れない山道の歩行のせいか、あっという間に疲れを感じ始めました。
6合目以降はいっそう急な山道に!
少し休憩することも考えましたが、「一度止まったら足が出なくなる!」と思い、歩みを進めました。
途中途中に、頂上までの割合を示す「〇/10」という案内板が出ていました。
その6合目を過ぎたあたりからは、いっそう勾配がきつくなってきました。
文字通り、この日最大の「山場」はここだったと思います。
「道」とも言い難いこの坂はステップがなく・・・なかなか登りごたえがありました。
登り始めて20分を過ぎたころ、頂上の東屋が見えました!
不思議なもので、目標が目に入ると足取りが軽くなりますね。
頂上からの絶景を楽しんだあとは帰り道も気を付けて!
管理人さんに言われた通り、25分ほどの道のりで頂上に着くことができました。
予想以上に急勾配で、自然が活かされたままの道のりだったため、かなり疲れていましたが、目の前に広がる上越・妙高の景色は、その疲れを吹き飛ばす絶景でした。
上越市側を見れば、遠くに日本海を望み、妙高市側は志賀高原の山々を眺めることができました。
東屋で持参したお茶を飲みながら、少しの間この景色を楽しみました。
帰り道は、管理人さんに教えていただいた通り、登ってきた道とは別の北側のコースで帰りました。
登りほど体力の消耗はしないものの、急ぐと危険な山道です。一歩一歩気を配りながら下山しました。
足元に気を配りながら歩いて15分、大きなトンネルの下をくぐる道に出ます。
これが山麓を走る上信越自動車道のトンネルだと気づき、歩いてきた道の位置関係を把握しました。
高速道路の下をくぐると、その先にはスタート地点の管理棟が見えてきます。
管理人さんの言っていた通り、20分ほどの時間で下山することができました。
頂上での休憩時間を含めて、1時間余りの登山体験の終着です。
斐太歴史の里は、いくつもの時代の様子を伝える史跡としてだけではなく、妙高市の豊かな自然を感じさせてくれるおすすめスポットです。
ぜひみなさんも、斐太歴史の里で気軽に登山を体験してみてください。
斐太歴史の里
住所:新潟県妙高市大字宮内・雪森
アクセス:越後トキめき鉄道 妙高はねうまライン「北新井駅」より徒歩で30分
上信越自動車道「新井スマートIC」より車で10分
電話:0255-72-0697
営業期間:4月初旬-11月下旬まで
営業時間:9月 9:00-17:00 / 10月 9:00-16:00 / 11月 9:00-15:00