戦国時代上杉謙信が移転・再興したといわれる「五智国分寺」

以前から気になっていた上越市五智3丁目にある「五智国分寺」にやってきました。

駐車場の手前で見つけた表示。
越後一之宮神社「居多神社」と「五智国分寺」はすぐ近くにあるんですね。

駐車場はお寺のすぐ近くに10台ほど止められるようになっています。

国分寺って各県の主要地にあるのかな?くらいの知識しかなかったので、今回「国分寺」の成り立ちも調べてみました。

「国分寺(こくぶんじ)は、741年(天平13年)に聖武天皇が仏教による国家鎮護のため、当時の日本の各国に建立を命じた寺院であり、国分僧寺(こくぶんそうじ)と国分尼寺(こくぶんにじ)に分かれる。国分寺の多くは国府区域内か周辺に置かれ、国庁とともにその国の最大の建築物であった。」
※国府(役所)に近いところ(国司が国分寺を監督したことによる)

(以上、wikipediaより抜粋)

国府(こくふ、こう)は、日本の奈良時代から平安時代に令制国の国司が政務を執る施設(国庁)が置かれた都市。
国府は、室町時代には完全に消滅し、所在不明となった所が多かった。

(以上、wikipediaより抜粋)

『和名類聚抄』・『拾芥抄』・『伊呂波字類抄』に記載されたものによると越後国の国府は上越市内にあったようです。まさに上越市国府という地名があるのも納得がいきます。

また五智国分寺は、永禄5年(1562)春日山城主上杉謙信によって、現在の場所(新潟県上越市五智)に再建されたようですが、それ以前の所在地は分からないようです。
もしかしたら現在の国府地内にあったのかもしれませんね。

さて、入口から山門まで石畳が続きます。本堂はかすかに見える程度。

また、境内には五智保育園もあります。
子どもの頃にお寺の境内で遊ぶ姿って、なんだか日本らしくていいななどと勝手に想像してしまいました。

とにかく足を進めましょう!

入口を入るとすぐに案内板を発見しました。
五智国分寺だけではなく、行ってみたいところがたくさんあります!
そして意外にも地理的に集約されているなと思いました。

さあ、とにかくまずは山門へ。

現在の山門は、天保6年(1835)に再建したといわれています。
こちらは上越市指定文化財になっています。

山号は安国山。

また山門の両脇には、仏教の守護神である仁王像が安置されています。向かって右側は口を開いている阿形像。

向かって左側は、口を閉じている吽形像となっています。
この仁王像に見守られながら(睨まれながら?)山門を通り抜けます。

山門を抜けると、すぐ右手側にCAFÉがありました。
境内の中にカフェがあるなんて、ステキですね。

ゆっくり散策して、「上人茶屋」でちょっと一休みしたいなと思う方もいるのではないでしょうか。私はそうです(笑)。

定休日は月曜日(他不定休あり)。また、オープンは12時からのようなので、もし上人茶屋も入りたいと思ってる方は定休日や営業時間などに注意してくださいね。

そして山門から本堂まで

山門をぬけると、正面には本堂が見えてきました。

本堂までまだ距離があります。

そして右手側に三重塔があります。この三重塔は、寛政6年の火災以後、慶応元年(1865)江戸時代末期に上棟され整備されてきましたが、高欄などが未完成のまま現在に至っているようです。

どこが未完成なのか素人の私には皆目見当もつきませんでした。

この三重塔は新潟県指定文化財です。

こちらは三重塔のちょうど反対側にある経蔵です。

元禄6年(1693)2月22日に上棟されたことがわかり、これは上越市内で記録の残っている最古の建物ともいわれています。(元禄6年は江戸幕府徳川綱吉将軍時代)

江戸時代からある建物だと思うと感慨深い気持ちになります。
なんと330年前!ということになります。本堂が上杉謙信により移転・再興されたのが1562年でしたから、こちらの経蔵は五智国分寺が移転されてから約130年後に建てられたことなります。
また、こちらも上越市指定文化財になっています。

いよいよ本堂!大日、薬師、宝生、阿弥陀、釈迦五如来が安置されています

今から1200年程前の天平13年に聖武天皇が建立された越後の国の国分寺です。
本尊が五智如来なので、五智国分寺ともいわれているようです。

永禄5年(1562)春日山城主上杉謙信によって、現在の場所(新潟県上越市五智)に再建されたようです。
その前にあった場所は明らかではないようですが、上杉謙信がこの地を選んだことに興味が湧いてきました。どんなことを考えていたんでしょう。

その後江戸時代には2度の火災に遭い、現在の本堂は昭和63年焼失後の平成9年に再建されたようです。

本堂内には阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、宝生如来、釈迦如来が置かれていて、自由に観覧できます。
また、本堂内の説明もしてくださるようです。(ただし、有料100円)

本堂内にある売り場で、「絶対に達磨に目を入れるぞ~」と気合を入れて諸願成就達磨守を買いました(笑)。

さて、この本堂の右側にある建物が、越後の国(現上越市)に流罪になった親鸞の住まいです。ここは「竹之内草庵」と呼ばれていました。

こちらが親鸞が滞在されていた竹之内草庵です。上越市指定文化財でもあります。

親鸞の銅像もあります。

五智国分寺に通じる坂道の途中に建てられている道標です。
この地点から見ると五智国分寺は結構高台に建っていることが分かります。

見晴らしがいいですね。向かって右方向は海側です。

そしてこちらが裏門。本堂の脇をまっすぐに歩くとこちらの門に通じています。
四季折々に境内の木々の景色も変わります。ぜひ、何度も足を運んで見てください。

五智国分寺
住所:新潟県上越市五智3-20-21
電話番号:025-543-3069
アクセス:トキ鉄・妙高はねうまライン「直江津駅」より徒歩で約20分
北陸自動車道「上越IC」より車で約25分
上信越自動車道「上越IC」より車で約30分
営業時間:9:00~12:00(4月~11月)本堂内参拝 境内及び本堂外部参拝は年中制限なし
料金:無料 本堂内で説明を求める場合のみ1人100円
駐車場:有

※営業時間、開園・閉園時間、定休日など、変更となる場合があります。

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。