今回、ご紹介するのは上越市大町5丁目にある旧今井染物屋さんです。
江戸時代末期に建てられた、市内に現存する町家の中で最も古く最大級の町家です。
貴重な市文化財である「旧今井染物屋」の保存と、約130年続いてきた雪国高田の風土産業「バテンレース」を後世に残していくため、バテンレースを基軸とした常設工房を設置しています。
旧今井染物屋さんでは町家見学と「バテンレース」の常設工房の見学ができます
こちらは「ミセ」。
通りに面した入口から入ってすぐ左手側に位置していました。
今はバテンレースの製品が展示されていますが、当時染物屋として商いをしていた頃はどのような様子だったのか気になるところです。
チャノマの天井の高さにびっくり!
「ミセ」の隣りは「チャノマ」です。
天井が高く吹き抜けになっているので、とても開放感があります。
また家の中は畳と障子で仕切られているだけなので、こちらもまた広く開放感がありました。
天井を見上げるとこの通り。太い柱と細い梁が組んでありました。
意外と梁が細い!
梁が細くても屋根に積もった雪の重さに耐える構造になっているのでしょう。
「チャノマ」にあった座卓。
「チャノマ」の床の間に飾られていた、古地図です。
城を囲むように整然と町並みが作られていたのが分かり、とても興味が湧きました。
江戸時代は藍染めが染め物の大半を占めていたようで、染物屋は「紺屋」と呼ばれていたようです。
こちらでもたくさんの職人さんや使用人が住み込みで働いていました。
広々としたチャノマに茶箪笥と神棚が目立っていました
どっしりとした茶箪笥の上には神棚がありました。
「チャノマ」から「オクザシキ」をみたところ。
屋号の看板がステキです。
土間。正面入り口からまっすぐに裏口まで続いています。
家の中に道路があるような感じですね。
こちらは「オクザシキ」。
立ち鏡や衣桁が置いてありました。
おしゃれな小部屋だなと思ったら、お手洗いでした。
明治から大正にかけてバテンレースは高田の一大産業でした
機械室(ブレード織機)
レース製品であるバテンレースは、インテリアやファッション等に取り入れられています。全国で高田だけが約130年、産業として続いてきました。
バテンレースの日傘、とてもおしゃれです。
一番奥まったところに位置する味噌蔵
味噌蔵
ミセ(入口)から入って、一番奥に位置しています。
味噌蔵
蓼藍の種(タデアイ)
藍染や藍の生葉めなどに使われます。秋に種を収穫し、今年も育てる予定。
これが染料の元になるんでしょうか?
夏に藍の生葉染めのイベントをされたようなので、今年もイベントをされるようなら、ぜひ参加してみたいです。
城下町高田は、およそ40の「個別町」から構成されていました。
大町通り沿いには、南から「上職人町」「下職人町」「新職人町」と呼ばれる個別町がありました。
いわゆる職人町だったんですね。
旧今井染物屋さんがあるのは「下職人町」です。
城下町高田の町家とは
城下町高田には、歴史や文化が漂う個性豊かな町家や雁木が現存しています。
また、文化財として登録されている町家もあります。
見学できる町家もありますので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
(見学できない町家もありますので、ご注意ください)
以下、上越市のホームページに掲載されている町家です。
- 町家交流館高田小町(上越市本町6丁目)明治時代「旧小妻屋(こづまや)」を再生・活用した交流施設
- 旧今井染物屋(上越市文化財)江戸時代末期
- 旧金津憲太郎桶店(市所有)江戸時代末期
- 瞽女ミュージアム高田(国登録有形文化財)
- 大鋸町ますや主屋(国登録有形文化財)
- 旧幸村家住宅(国登録有形文化財)
- きものの小川
- 八百屋の土田
- 高野醤油味噌醸造店(国登録有形文化財)
- 兎に角(町家複合施設)
- 旧早川タンス店(越後高田楽市楽座)(国登録有形文化財)
などがあります。
詳しい情報は上越市公式ホームページをご覧ください。
城下町高田の町家を巡る「越後高田町家三昧」 – 上越市ホームページ (city.joetsu.niigata.jp)
旧今井染物屋
住所:新潟県上越市大町5丁目5番7号
アクセス:えちごトキめき鉄道「高田駅」から徒歩約10分
営業時間:10:00~17:00
電話番号:025-520-9788(開館日のみ)
定休日:月曜日、休日の翌日 12月29日から翌年1月3日
入館料:無料
駐車場:あり
※臨時休業する場合があります。最新情報は店舗にご確認ください。